人生最大の痛み ~汚れて傷ついて生まれ変わっていくのさ~
人生最大の痛み、それは大学生の時だった。
ちょっと遊んでいるような男の後輩にクラブに誘われた時の出来事。私はかなりの根暗なので全く女性とチャラチャラ遊ぶような性格ではなかったが、今も昔も私を操作しているのは大脳ではなく海綿体(ち◯こ)なので少し興味があったので行ってみることに。
澁谷の某クラブに行き、入り口のコワモテのおっさんに免許証を見せて無事に潜入成功。そこで後輩に「作戦を考えよう」といったところ、「適当に話しかければいいんすよ~」と一蹴された為、多少視線がロンパったがとりあえず会場に入ることにした。
「ドッツパッツドッツパッツ!!!!!!!」轟音だった。なんだよこの感じ・・・マジでパチスロデビルマンのサバットチャンス状態じゃねえかよ~なんて思ってた。アキラ覚醒したらATはいんぞこれ・・・。
そもそもライブ会場には慣れていたが、好きでもない音楽を爆音で聞くのは耳がきつかったのをよく覚えている。
とりあえずめちゃくちゃ混んでて案の定後輩とはぐれた為、独りでハイボールがなかったのでレッドアイ(トマトビール)をしこたま飲むことにした。7杯ぐらい飲んだところで気分が良くなってきたのでキョロキョロしてみた。
結構ナンパしてんな~、こういうのみるの実際しんどいな~なんておもってた。
そこで後輩帰還。女の子二人組捕まえたんで踊りましょう!とのこと。
俺は中世ヨーロッパの貴族じゃないから踊れないんだよな~と思ったけど股間は後輩と一緒に女の子達のところに向かっていた。
同い年ぐらいの女の子二人。そのうち一名が結構タイプなおとなしめな感じの可愛い子で、芸能人に例えるんであれば、身長が高い志田未来みたいな感じだった。そしてもうひとりがジャイ子をアマゾネスが拾って20年育てたみたいな活発なノリノリ系ブスだったが、後輩はそっちの方に自然と流れていった。おまえは神か。
そしてお互い踊れなさそうな感じが出ていたので違う階のカウンターに二人で移動することに。
俺「いや~俺こういうの初めてなんですよね~。」
未「え?そうなんですか?」
俺「そうなんですよ!でもこんなかわい子ちゃんと話せるなんて幸せなんでおごりますよ!」平成生まれなのに緊張して昭和モダンなセリフを言ってしまう俺。なんやかわい子ちゃんて。
未「え~ウケる~、じゃあごちそうさまですっ!」
爆音がゆえに自然とゼロ距離で会話するぼくら。
なんやこれェ~いい感じなのか?結構酔って口が回るようになってきたからトークははずみ楽しい会話をしていく。あれ?おれこんなに面白かったっけ?自分でもびっくりするぐらいのポテンシャル。若手の芸人なのか俺は。
結論から言うと深夜0時前ぐらいから3.4時間ぐらいその子とずっと話していた。むっちゃくちゃ話しやすいし、超かわいいし、なんやこれ、クラブ?ええとこやん!って感じで人生最良の日を送ってる自分の事も好きになるぐらい楽しかったのを覚えている。
もうクラブも閉店ってタイミングで、俺はこれなら連絡先交換しても超大丈夫だろうってレベルだとおもっていたので携帯を取り出す俺。
電池切れてる・・・オワタ・・・
そこで俺も酔っててだいぶおかしくなっていたので、相手の携帯で打ってもらえばよかったものを、何を思ったか、筆記用具を取り出し、紙に書いて渡そうとしたのだった。
筆記用具はあるけど、紙がない・・・
そこで更に血迷い、消しゴム(MONO)に書くことにした。もう必死だったんだな・・・。
無事に連絡先を書き終わり、女の子に渡す。女の子少し笑ってた。そりゃそうだ。
ちょうどその時、後輩と連れの女の子が来た。合流して少し話して解散に。
すると少し離れたところでアマゾネスが、かわい子ちゃんに「なにもってるの~?」と聞いているのが微かに聞こえた。直後にアマゾネスの笑い声が聞こえ、振り向くと、アマゾネスが俺の連絡先入りの消しゴムをぴゅ~んと投げ捨てているのを俺と後輩で見てしまった。
後輩はなんですか?って顔をしていたので、事の顛末を話したところ、いままでに見たことないような悲しい顔してた。
俺もいままでにないような悲しい顔してたと思う。
かわいい女の子は一緒にきた友達に気をつかい、苦笑いでその場を後にしていた。
俺はその場から2分動けなかったが、もう疲れ切っていたので帰ることに。客はまだ結構いたが下を見ながら肩を落として歩いていたら、ヤンキーにぶつかってしまった。
ヤンキーに謝ろうと振り返ったら思いっきり両手で押され、尻もちをつく俺。もう立ち上がる気力もなく、後輩に起こしてもらった。
帰り道、始発までに富士そばでそばをすする俺たち。会話は一切ない。後輩は途中からネタにして笑ってくれていたけれど、後日談で「あんな惨めな人を見たのははじめてだった」といっていた。うん、俺もやで。
ということで心の傷って癒えにくいんだなあとおもった次第でございます。
最後まで読んでくれた皆さんに一つ。
「一寸先は闇」です。光が大きいほどすぐそばには強い闇があることを忘れないでほしい。
以上